TEL: 011-706-5056
FAX: 011-706-7866
北海道大学 大学院医学研究院微生物部門免疫学分野
ワクチン研究開発拠点(IVRed)
Department of Immunology, Faculty of Medicine and Graduate School of Medicine, Hokkaido University
免疫学教室
教授 小林 弘一
経歴
1991年
千葉大学 医学部卒
1991-1994年
千葉大学医学部第2内科(吉田尚、斎藤康教授)
1992-1994年
総合病院国保旭中央病院内科
1994-1998年
千葉大学医学部大学院(免疫学、徳久剛史教授)
1998-2003年
ポスドク・フェロー イェール大学 (New Haven, CT)
2003-2004年
Associate Research Scientist 免疫生物学、イェール大学
2004-2011年
Assistant Profesor ダナ・ファーバー癌研究所
2004-2011年
Assistant Professor 病理学、ハーバード大学
2011-2012年
Associate Professor ダナ・ファーバー癌研究所
2011-2012年
Associate Professor 微生物学・免疫生物学、ハーバード大学
2012-2017年
テキサスA&M大学 Health Science Center 微生物学・免疫学 教授
2017-2020年
テキサスA&M大学 Health Science Center 微生物学・免疫学 Research Professor
2020-現在
テキサスA&M大学 Health Science Center 微生物学・免疫学
Adjunct Professor
2017-現在
北海道大学大学院医学研究院免疫学教室 教授
〓お問い合わせ✉️〓
kskobayashi(アットマーク)med.hokudai.ac.jp
教授ご挨拶
北海道大学大学院医学研究院・微生物学部門免疫学分野免疫学教室は、1922年に北海道帝国大学細菌学教室として開講しました。一方、小林は、ハーバード大学、テキサスA&M大学で免疫学の研究室を14年間主催していましたが、2017年に免疫学教室の第6代教授として着任致しました。
研究室では、自然免疫系およびMHC遺伝子発現の研究を主テーマとし、自然免疫系のレセプターシグナル、免疫系の進化、炎症生疾患発症機序の解明、癌免疫の機序、新しいバイオマーカーの開発、新規癌免疫療法の開発などに取り組んでいます。海外からもスタッフを公募し、教育・研究は主に英語で行うなど、国際色豊かな研究室でもあります。流行りに走らず、他人がやらない研究を行うこと、長い目で見た時に人類の知に貢献できる研究を行うことを当教室のモットーとしております。
小林研究室の歩みはこちらから
教室沿革
細菌学教室(現・免疫学教室)は北海道帝国大学医学部講座の一つとして、1922年(大正11年)に開講しました。以降、2007年(平成19年)の医学研究科大学院改編による微生物学教室新規設置まで、医学部における細菌学、ウイルス学、寄生虫学、免疫学の研究と教育を担いました。免疫学教室では、過去に、長野泰一教授(東大医科研所長)、植竹久雄教授(京大ウイルス研所長)、松宮英視教授(北大臨床検査医学講座)、東匡伸教授(旭川医大)、子熊恵二教授(岡山大)、藤井暢弘教授(札幌医大)、中根明夫教授(弘前大)など多くの人材を輩出しました。
随伴物質
初代教授の中村豊教授は開講時、天然痘ウイルス、牛痘ウイルスの研究をしていました。長野泰一先生(伝染病研究所(現・東京大学医学部医科学研究所)教授)の教室同門会誌に寄稿された文章によると、中村豊教授は、ウイルス感染時に抗ウイルス活性がかなり早く誘導されることに気がついており、ウイルスに対する抵抗は中和抗体(その当時は減殺素と言われた)だけでは説明できないと感じていたそうです。中村豊教授はこの仮説的な因子を随伴物質と呼び、その存在を実験的に実証しようと努力したが、なかなか明快な答えは得られなかったとそうでした。その後、諸外国の研究者も同じような考えで実験を試みたそうですが、上手くはいかなかったそうです。かのclonal selection theoryで有名な免疫ウイルス学者のSir., Frank Macfarlane Burnet(1960年ノーベル賞)もその一人でした。後にこの研究は、山田教授と長野泰一教授へ引き継がれました。長野先生は北大医学部卒業後、中村豊教授の細菌学教室に入り、助手として研究を始められました。そして1947年(昭和22年)には伝染病研究所(現・東大医科学研究所)教授となりました。長野先生率いるチームはウサギに天然痘ウイルス接種後、24時間以内に抗ウイルス作用が認められることに気づきました。当時長野研究室に在籍していた小島博士は、当時日本で最初に輸入された超高速遠心機を用いることにより可溶性の抗ウイルス作用物質を発見、ウイルス抑制因子と呼び、1954年に発表、そして論文はフランスの科学雑誌に掲載されました。そのウイルス抑制因子は、1957年のDr. Alick IssacsとDr. Jean Lindenmannが発表した英語論文での名称を取り、今ではインターフェロンと呼ばれています。
1872年(明治5年) 開拓使仮学校開校
1875年(明治9年) 札幌農学校開校
1907年(明治40年) 東北帝国大学農科大学に改編
1918年(大正7年) 北海道帝国大学に改編、設置
1919年(大正8年) 医学部設置
初代 中村豊教授(1922ー1951)
大正11年5月、東京帝国大学伝染病研究所の若手中堅であった中村教授は独・仏の留学を終えて北大に赴任しました。細菌学、ウイルス学のみならず、微生物感染時の免疫応答に関しても幅広く研究が行われました。当時の細菌学教室は、付属病院の中核検査施設としての機能を持つ他、北海道の公衆衛生を司る任務も帯びていました。道内で感染症が起こるとタスクチームを派遣し、診断から防疫対策まで行っていたことが記録に残っています。
第二代 山田守教授(1951ー1970)
当時の助教授であった山田教授が第二代教授となりました。ウイルス干渉(ウイルスに感染すると、ウイルスに感染しにくくなる現象。抗体ができる前にも見られる。後にインターフェロンによって引き起こされると分かった。)を含む幅広い宿主微生物応答について研究が行われました。
第三代 飯田広夫教授(1970-1985)
道立衛生研究所にいた飯田教授が第三代教授となりました。昭和59年には、ハイデルベルグで第1回国際インターフェロン学会が行われました。
第四代 皆川知記教授(1986-2003)
当時の皆川助教授が第四代教授となりました。エキノコッカス、サルコイドーシス研究を含めた微生物学研究が行われました。平成12年、教室名が細菌学から感染症制御学へと改変されました。
第五代 瀬谷司教授(2004-2016)
大阪府立成人病センター所長であった瀬谷司博士が第五代教授として赴任しました。瀬谷教授は分子生物学を駆使し、当時の最先端の自然免疫系の研究を推し進めました。平成19年には、教室名が感染症制御学から免疫学分野と改変され、免疫学専門の教室となりました。新しく分離設立された微生物学教室が微生物学の研究・教育を担当することとなりました。
第六代(現教授) 小林弘一(2017-)
テキサスA&M大学教授であった小林が兼任で赴任しました。
初代の細菌学教室看板。
立派な文字!
北大医学部出身であり、インターフェロンを発見された世界的なウイルス学者、長野泰一先生。
初代教授 中村 豊 教授
第二代教授 山田 守 教授
第三代教授 飯田 広夫 教授
第四代教授 皆川 知記 教授
第五代教授 瀬谷 司 教授